♪ 薬浴 ♪

[2012年10月02日]

朝晩だいぶ寒くなってきましたね。昼間はまだ温かく、1日の気温差が結構ありますので

人間だけでなく、動物も体調を崩しやすいと思います。体調の変化に気づいたらお早めに病院へ

ご相談ください。

 さて、今回は久しぶりに皮膚の症例です。

”薬浴”で皮膚の状態が改善したワンちゃんのご紹介をさせていただきます。

開業して8か月たちましたが、まだまだ、当院での薬浴症例は多くありません。

もともと皮膚病治療の一環で、薬浴をするためにトリミング室を併設したのですが、

今のところ、皮膚の健康な子のトリミングばかりなので今回は宣伝も込めて症例の

紹介をします。

 症例は、7歳のペキニーズの男の子。皮膚症状の初発は、4歳位。手足の赤み、痒みから始まり、

首、お腹、脇に症状がどんどん広がってきたそうです。痒みは、ほぼ1年中で特に夏に悪化するとの

事でした。飼い主様は当院まで1時間以上かかるにもかかわらずご来院くださいました。

下が、初診時の皮膚の写真です。

首、脇、腹部は赤くなり、色素沈着を起こしているところもあります。

手足は、皮膚が象さんのように肥厚し、赤み、かさぶたと結構ひどい状態でした。

院内検査にて、首、脇、股、手、足より、大量の細菌とマラセチアを検出しました。

基礎疾患としていくつかの病気が考えられましたが、 この子は薬浴もさせていただければ

かなり症状の改善が見られそうだと踏んだので、飼い主様に薬浴の治療オプションをお話しし、

承諾を得たので早速、その日に薬浴をさせていただきました。

どうでしょう?最初の写真から2週間後の写真です。

赤みもひき、毛が生えてきて、皮膚もだいぶ柔らかくなりました。

痒みの方も、以前は薬を飲んでも痒みが全然ひかないという状態だったそうですが、

飼い主様が見ていても気にならない程度まで痒みがひいたとのことでした。

根本の問題は、最初の検査で検出した細菌やマラセチアだけではなく、この子の基礎疾患ににありますので、

これからそこを突き止めていく予定ですが、薬浴だけでもこれだけよくなることもあるという

よい例だと思います。

薬浴と言っても、ただ薬用シャンプーで洗えばいいというわけではなく、使うシャンプーの種類や洗い方

など、その子その子に合わせて選択していきます。

もちろん、自宅で補助的にやり方を教えてやってもらうこともあります。

治療をしているがなかなか皮膚病のよくならないペットの飼い主様、薬浴にご興味のある方は、

当院までお問い合わせください。