☆チェリーアイ☆

[2012年09月19日]

                                                   

”チェリーアイ”って、ご存知ですか?なんかおいしそうな名前ですが、目の病気の名前です。

犬や猫は、目の上下にある2つのまぶた以外に目頭の内側に「瞬膜」と呼ばれる3番目のまぶたを

持っています。瞬膜は目の表面を覆うことによって物理的に保護したり、瞬きをすることによって

分泌した涙を眼の表面に拡げて、角膜を乾燥から保護する働きがあります。

この瞬膜の内側に瞬膜腺という分泌腺があります。瞬膜腺は涙成分の約30%を分泌している組織で

腫大すると瞬膜腺が眼瞼から飛び出して赤く腫れあがった状態になります。この状態が目に

さくらんぼをつけているように見えるので、チェリーアイと呼ばれています。

飛び出した瞬膜腺は、さまざまな刺激にさらされ、炎症を起こし赤く腫れあがります。

治療は、この飛び出した瞬膜腺を元の位置に戻す処置を行います。

飛び出している部分が小さければ、押し戻したり、抗炎症薬の点眼などが行われます。

飛び出した部分が大きい場合や、小さくても再発をくり返す場合などは、外科手術による整復を行います。

瞬膜腺は目の表面を保護する涙を作っている重要な組織のため、外科手術では、瞬膜腺を可能な限り

温存する方法が取られます。この腺を取ってしまうと、ドライアイになってしまうリスクがあります。

つい最近、当院でもチェリーアイの整復手術を行いました。最初は押し戻すのと、点眼薬を使って治療を

試みましたが、再発するため手術にふみきりました。

2か月齢のチワワの男の子で体重も950gしか ありませんでしたが、小さな体で手術がんばってくれました。

術前の写真です。だいぶ飛び出しています。眼を閉じてもはみ出しています。

手術時の写真です。今回は、一部切開+埋没法という手術を行いました。

上の写真のように瞬膜腺をだし、腺の周りに切開を入れ、袋状にして縫合して埋め込む手術です。

術後の写真です。きれいに戻っていますね!スッキリしました!

この病気は、若い仔に多いです。眼のふちに赤いできものがあるのに気づいた場合は

様子を見ずに、早めに病院までお問い合わせください。