脱毛症④

[2025年02月05日]

昨日今日と最強の寒波が襲来とのことで、霧島市も雪がちらついていましたが、

積もるまではいきませんでした。みなさんの地域はどうですか?

さて、今回は脱毛症の4回目です。第2,3回と話がだいぶ脱線していましたが、

今回からやっと本題に戻ります。それでは、始めます!

今回の脱毛症シリーズのお話は、非炎症性脱毛で、その中でも先天性脱毛症の

お話でした(第1回目からだいぶ時間が空きましたので再度内容の確認です)。

そもそも、非炎症性脱毛となる原因には、3つの異常が考えられます。

①毛自体(構造)の異常、②毛包の異常、③毛周期の異常、の3つです。

その中で、先天性脱毛症の原因はほとんどが①と②であり、③は後天性脱毛症の

原因となることがほとんどです。

つまり、先天性脱毛症の原因は、毛自体か毛包の異常によるものが多いということ

になります。有効な治療法が確立されておらず、基本的に発毛は困難なことが多い

という理由の1つはここにあります。

また、基本的には脱毛以外に異常はなく、身体的異常を伴わないので、寿命には

何ら関係のない皮膚病であることがほとんどです。ただし、外胚葉異形成症は例外

です。脱毛症以外に歯列に異常や歯の欠損が見られることがあります(第3回目参照)。

非炎症性で先天性の脱毛症の種類はそれほど多くはありません。

先天性貧毛症、外胚葉異形成症、毛包異形成症、パターン脱毛症、淡色被毛脱毛症、

黒色被毛毛包異形成症です。

前半3つはまれな脱毛症ですが、後半3つは日常診療でも比較的よく遭遇します。

前半3つは、獣医師でも病気の特徴を知っていないと病名すら頭に浮かばないかもしれません。

さらに、治療法自体なく発毛することはまずありません。ヘアレス種の犬はこの部類に

入っています。

後半3つは、日常診療でもちょくちょく遭遇しますので次回のブログで少しご紹介したいと

思います。ということで、今回はここまでです。

 

森の樹動物病院は、鹿児島で犬と猫の皮膚病、脱毛症の診断治療に力を入れています。

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