☆ 蚊 ☆

[2012年04月28日]

みなさん、フィラリアの予防はお済ですか?春になり、温暖な鹿児島では、すでに蚊が飛んでるのを
見かけます。お済でない方は、お早めに動物病院で検査、お薬の処方をしてもらってください。

さて、今回はフィラリアのお話ではなく、フィラリアの運び屋”蚊”について少しお話をしたいと
思います。
ところで、”蚊”ってなんでこの世の中に存在しているのかって考えたことありますか?
この”蚊”っていうやつは、他の虫と違って花粉も運ばなければ、捕食されて餌にもならないんです。
つまり、単に種の保存のために存在しているようなものなんです。

世界中で約3200種存在し、日本には127種が存在しています。いろんな種類がいて、トウゴウヤブカという蚊はなんと海水中でも生きられるそうです。

オスとメスがいるのですが、吸血するのはメスのみで、オスは水や花の蜜を吸って生きています。

メスはなぜ吸血するのかというと、卵巣の発達や産卵のために必要だからです。体重の約2倍吸血して一生に2~3回、計500個の卵を産み出します。ちなみに吸血するのは、交尾後なんです。

哺乳類の血液を栄養分にするというのは確かに効率よく高栄養を得られるので、この”蚊”ってやつは結構賢い虫なんですよね。私たちにとっては厄介ですけど・・・

温かくなると出てくる”蚊”ですが、冬はどうしているかご存知ですか?

冬は、基本的にオスはすべて死亡します。しかし、ハマダラカ、イエカなどのメスは成虫として冬を越え、ヤブカは卵として冬を越えます。

 

蚊のすご技の1つとして、”無痛吸血”があります。大体、「痒っ」と思ってそこをみるとたいていはいないか、すでにある程度おいしく血をいただかれていますよね。

この無痛吸血ってものすごい技なんです。単に針をぷすっとさして吸ってるだけじゃないんです。実際、医用工学への応用も考えられているそうです。

この”蚊の驚異の無痛吸血”の秘密は、口器(頭にある針みたいなところ)にあります。単に1本の針ではなく、7つのパーツからなっています。この7つのパーツをうまく使い、我々に見つからないように刺すわけです。簡単に説明するとこのパーツの少しずつをうまいこと刺して気づかれないようにしています。あとは、唾液中に含まれる麻酔物質によって吸血中も気づかれないようにおいしく我々の血をいただいているんです。

ちなみに蚊は毛細血管から血を吸っているんですが、刺したところからどうやって血管を探し当てているのかというと、これも蚊のすご技の1つで、センサーを持っていて血液中のATPというものを感知して、血管を見つけて直接血管の中から血を吸います。

蚊が血を吸っている姿を見たことがありますか?蚊の種類によって吸血姿勢が違います。イエカやヤブカは写真のように体を水平にして吸血し、ハマダラカという蚊は体を斜位にして吸血します。今度、蚊に刺されたら、一度その姿勢を見てみてくだい。そのあとちょっと痒いですけど(笑)

 

今回は、ちょっとマニアックな内容になってしまいましたが、この賢い生き物”蚊”から、大事なペットを守る為、きちんとフィラリア予防をしましょうね★